平成29年度

第4回食品産業もったいない大賞

平成29年3月24日

第4回「食品産業もったいない大賞」の農林水産大臣賞、食料産業局長賞など各賞の受賞者を決定いたしました。
また、表彰式及び受賞者による取組事例の発表会を、平成29年3月1日(水)に東京証券会館において開催いたしました。
受賞事例をまとめた事例集及び事例発表会の配布資料を掲載いたしますので、是非ご参照願います。食品ロス削減や地球温暖化対策についてのヒントやきっかけになれば幸いです。

表彰の概要

本表彰制度は、食品産業の持続可能な発展に向け、環境対策の一環でもある「エネルギー・CO2削減」、「廃棄量削減・再生利用」、「教育・普及(消費者に最も身近な“食品”を通してこれらの啓発を促す)」等の観点から、顕著な実績を挙げている食品関連事業者並びに食品産業によるこうした取組を促進・支援している企業、団体及び個人を広く表彰し、世の中に周知することで、食品産業全体での地球温暖化・省エネルギー対策及び食品ロス削減等をより一層促進することを目的とするものです。

主催等

主催:一般社団法人日本有機資源協会
協賛:農林水産省
後援:環境省、消費者庁

表彰式・事例発表会 会場の模様

受賞者結果について

農林水産大臣賞(1点)

松本大学、長野県中信地区6次産業推進協議会 (2者連名)
・そば粉とわさびのゼロミッションプロジェクトによる安曇野6次産業の推進
 従来廃棄されていたそばの製粉残渣やわさびの葉を新たな食品素材とし、産官学の協働によって、地域の特性を活かした商品として開発し、ブラント化を定着させた。さらに、これを基に、様々な業種の企業や自治体等と協力し、首都圏への販売促進や着地型観光商品の特産品と組み合わせたバスツアーなどを実施することでリピーターを生み出し、雇用の創出や地域産業の活性化に大きく貢献している点が評価できる。

農林水産省食料産業局長賞(5点)

熊本県立熊本農業高等学校
・高校生による「規格外海苔からブランド卵・海苔ノリたまごの開発」
 特産品の製造工程から出る廃棄物の有効活用と飼料自給率の向上を目指して研究を行い、その成果として、高付加価値の商品を生み出した。また、高校生らしいユーモアに溢れたネーミングとパッケージなど独自のアイディアとチャレンジ精神による地産地消の取組は評価される。研究の継続と更なる地域活性化に期待したい。
コカ・コーライーストジャパン株式会社、一般財団法人蔵王酪農センター、宮城県蔵王町(3者連名)
・茶殻と乳清を地域資源に ~地元産エコフィードで育てた牛による蔵王町振興の取組~
 産業廃棄物として発生していた茶殻とチーズホエイを、行政や生産者、企業と協働で、町内施設でエコフィード化の処理をし、さらにこれを用いて肥育した牛肉をブランド化させたことによって、廃棄量の削減はもとより、食育、観光と連携したエコツアーによる地域活性化などにも拡大している点が高く評価できる。農業を基軸とした地域活性化の参考となる取組である。
食品ロス削減連合会
・需要予測の精度向上・共有化による作りすぎ廃棄ロスの削減と省エネ
 賞味期限という特性を持つ食品業界では、需要予測の誤差によって、工場での作りすぎや流通段階での過剰注文による廃棄という大きな課題を抱えている。気象予測情報を活用した需要予測システムを開発・共有することによって食品ロス削減へとつなげた取組は先駆的であり、特に食品産業でない組織が主導している点が画期的である。フードチェーン全体で需要予測情報を共有化できれば、更なる食品ロス削減が達成されよう。

連合会参加企業:
相模屋食料、伊藤園、国分グループ本社、タイヨー、
ポッカサッポロフード&ビバレッジ、日本気象協会
日本マクドナルド株式会社
・オーダーメイド方式によるファストフードの食品ロス削減
 ファストフード店では、あらかじめ予測して作り置きし、品質保持の観点から一定時間を過ぎると廃棄することが頻繁に行われているなか、商品の提供スピードと食品廃棄の関係をトレードオフ問題として捉え、食品廃棄の削減を実現した点が高く評価できる。この考え方が、ファストフード業界全体にも普及し、消費者がサービスの提供の在り方について考え直す契機になることを期待したい。
福井県
・「おいしいふくい食べきり運動」と「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」による食品ロス削減の取組
  10年以上に亘り、県内の飲食店や婦人会と連携し、生ごみ排出量削減のための啓発活動をしている点が評価できる。これまでの地道な運動と実績がある福井県だからこそ、全国の自治体が賛同し、全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会を設立することができた。このネットワークを活かし、積極的に広報することにより、国民一人ひとりの意識改革につながり、日本全体の食品ロス削減やCO2削減にもつながることが期待され、協議会の拡がりに注目したい。

食品産業もったいない大賞審査委員会委員長賞 受賞者(6点)

味の素ゼネラルフーヅ株式会社
・ペットボトル商品への再生耐熱PET樹脂100%導入による、「完全循環型リサイクル」の実現
 継続的な容器包装リサイクル実現への考えのもと、最新の技術を導入して、ホット充填が必要な耐熱タイプを含めて、主力ボトルコーヒー全商品の完全循環型リサイクルを実現し、大幅な石油資源使用量を削減した点が評価できる。
この取組が、他企業へも波及し、消費者のペットボトルリサイクル回収への理解がなお一層高まり、石油消費量節減と共にCO2削減に大きく寄与することを期待したい。
味の素冷凍食品株式会社 九州工場
・低温水熱源ヒートポンブ利用など、各種取組による熱エネルギーの有効活用
 身近にある気付きにくい廃熱に着目し、有効活用することに日頃から広い視野と柔らかな視点を持ち続ける熱い思いが改善につながり、広範な技術も活用して更なる省エネ効果、CO2削減が継続的に得られている点が高く評価される。このような視点が他の工場へ波及することが期待される。
株式会社伊藤園
・遊休農地と地域人材を活かして新たな茶産地を創生
 担い手不足や農業経営など、農業における社会的課題に対して、高い視点から、地域農家と連携し、遊休農地を有効活用して、国産茶葉の安定的な調達を実現し、これによって、遊休農地の解消、雇用創出、茶農家の経営安定等の社会的課題の解決に貢献している点が高く評価できる。特に、もったいない遊休農地の活用は、日本の農業を活性化させ、農地の生産力を維持・向上していくための有効な取組である。
国分グループ本社株式会社
・輸配送時のもったいない待ち時間削減のための「入荷受付システム」の導入
 ドライバー不足と言われている昨今、一方では「ドライバーが待たされる・トラックが走っていない」という“もったいない”状況にあるのも事実です。特に小口多頻度納入が要求される食品業界では物流の効率化が求められています。この問題への解決策となるシステムを開発・導入し、ドライバーの負担軽減、時間の短縮、環境負荷の低減につながっている点が高く評価できる。食品卸業界以外にも普及していくことが期待される。
生活協同組合連合会コープ東北サンネット事業連合
・生協の物流を使って東北6県に広がる、被災地だからこそ出来る災害用備蓄品の有効活用
 被災地ならばこそ「災害用備蓄品」の有効活用に着目し、これまで廃棄されることが多かった災害用備蓄品を、生協の物流を利用して福祉施設や各種の団体等へ提供することに取り組み、廃棄食品の削減に大きく貢献している。この取組は、食品関連企業以外の事業者等からの寄贈など、支援活動の輪が拡がってきているとともに広範囲の地域での活動に展開され、被災地の活力となり、大きく社会貢献している点が評価できる。
ヤマキ株式会社
・「鰹節だし抽出殻」の調味料化による資源リサイクル技術の確立
 今まで肥料や飼料としてしか活用できなかった鰹だしの抽出殻を、豊富なたんぱく質を含む貴重な資源と捉え、成分の特性を活かして調味料の原料として有効活用する技術を開発し、食品製造後の廃棄物を再度食品原材料に活用するという「食品資源の循環利用サイクル」を構築した点が高く評価される。このような食品材料の利用・還元が拡がることを期待したい。

各事業例発表についてのご連絡・照会先

受賞者
代表窓口
電話番号

松本大学
長野県中信地区6次産業推進協議会

松本大学
人間健康学部 健康栄養学科

0263-48-7200

熊本県立熊本農業高等学校

熊本県立熊本農業高等学校
畜産科

096-357-8800

コカ・コーライーストジャパン(株)
(一財)蔵王酪農センター
宮城県蔵王町

コカ・コーライーストジャパン(株)
コーポレート・コミュニケーション本部
広報部

03-5575-3860

食品ロス削減連合会

(一財)日本気象協会
防災ソリューション事業部 営業課

03-5958-8143

日本マクドナルド(株)

日本マクドナルド(株)
コーポレートリレーション本部 CSR部

03-6911-5750

福井県

福井県
安全環境部 循環社会推進課

0776-20-0317

味の素ゼネラルフーヅ(株)

味の素ゼネラルフーヅ(株)
品質保証・環境部

03-5302-7620

味の素冷凍食品(株) 九州工場

味の素冷凍食品(株) 九州工場
代表

0952-47-5151

(株)伊藤園

(株)伊藤園
CSR推進部 CSR推進室

03-5371-7213

国分グループ本社(株)

国分グループ本社(株)
物流総括部

03-3276-4375

(生協)コープ東北サンネット事業連合

(生協)コープ東北サンネット事業連合
コープフードバンク

022-779-1556

ヤマキ(株)

ヤマキ(株)
かつお節・だし研究所

089-983-5155

表彰式・事例発表会について

開催日時

開催日: 平成29年3月1日(水曜日)
開催時間: 13時00分~17時00分第1部 表彰式  13時00分~13時50分
第2部 事例発表会 13時50分~17時00分
開催場所: 東京証券会館 8階 ホール (東京都中央区日本橋茅場町1-5-8)
アクセスMAP

プログラム

【第1部】 13時00分~13時50分
・主催者挨拶 一般社団法人日本有機資源協会 会長 牛久保 明邦
・来賓挨拶 農林水産副大臣 礒崎 陽輔 氏
・表彰状授与
・写真撮影
・休憩
【第2部】 事例発表会
      13時50分~14時00分 受賞者講評
       食品産業もったいない大賞審査委員会委員長 増井 忠幸 氏
      14時00分~17時00分 受賞者事例発表
農林水産大臣賞 受賞者 【1者】
○松本大学、長野県中信地区6次産業推進協議会(2者連名)
 ・そば粉とわさびのゼロミッションプロジェクトによる安曇野6次産業の推進

農林水産省食料産業局長賞 受賞者 【5者】
○熊本県立熊本農業高等学校
 ・高校生による「規格外海苔からブランド卵・海苔ノリたまごの開発」
○コカ・コーライーストジャパン株式会社、一般財団法人蔵王酪農センター、宮城県蔵王町
                                    (3者連名)

 ・茶殻と乳清を地域資源に ~地元産エコフィードで育てた牛による蔵王町振興の取組~
○食品ロス削減連合会
 ・需要予測の精度向上・共有化による作りすぎ廃棄ロスの削減と省エネ
○日本マクドナルド株式会社
 ・オーダーメイド方式によるファストフードの食品ロス削減
○福井県
 ・「おいしいふくい食べきり運動」と「全国おいしい食べきり運動ネットワーク
  協議会」による食品ロス削減の取組

食品産業もったいない大賞審査委員会委員長賞 受賞者 【6者】
○味の素ゼネラルフーヅ株式会社
 ・ペットボトル商品への再生耐熱PET樹脂100%導入による、
  「完全循環型リサイクル」の実現
○味の素冷凍食品株式会社 九州工場
 ・低温水熱源ヒートポンブ利用など、各種取組による熱エネルギーの有効活用
○株式会社伊藤園
 ・遊休農地と地域人材を活かして新たな茶産地を創生
○国分グループ本社株式会社
 ・輸配送時のもったいない待ち時間削減のための「入荷受付システム」の導入
○生活協同組合連合会コープ東北サンネット事業連合
 ・生協の物流を使って東北6県に広がる、被災地だからこそ出来る災害用備蓄品の有効活用
○ヤマキ株式会社
 ・「鰹節だし抽出殻」の調味料化による資源リサイクル技術の確立

開催案内

開催案内リーフレット【PDF 496KB】
募集要項:「第4回食品産業もったいない大賞」募集要項について

お問い合わせ先

〒104-0033 東京都中央区新川2-6-16 馬事畜産会館401号室
一般社団法人日本有機資源協会 事務局 担当:嶋本、出越< TEL:03-3297-5618 FAX:03-3297-5619 E-mail:mottainai@jora.jp

その他

これまでの受賞者(農林水産大臣賞、食料産業局長賞、食品産業もったいない大賞審査委員会委員長賞)の受賞結果等については、以下のアドレスからご覧いただけます。

受賞者の取組を記載した表彰 事例集及び事例発表会の資料を下記の結果報告概要に、
それぞれ掲載しておりますので、是非ご参照ください!

「第3回食品産業もったいない大賞」 表彰式・事例発表会の結果報告概要

「第2回食品産業もったいない大賞」 表彰式・事例発表会の結果報告概要

「第1回食品産業もったいない大賞」表彰式・事例発表会の結果報告概要

食品ロス削減に向けた取組について