食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチームが本年度成果を公表
納品期限と賞味期限の見直し進む
フードチェーンの食品ロス削減に取り組む商慣習検討ワーキングチームが、平成26年度の成果をとりまとめました。納品期限や賞味期限見直しなど、以下で食品ロス削減に向けた活動成果を確認いただけます。ワーキングチームは平成27年度以降も取組を進め、企業・業界団体の協力のもと、食品業界全体に活動の普及に努めます。
News Release (平成27年3月17日)
なお、本取組は、農林水産省の平成26年度食品ロス削減等総合対策事業の一環として実施。
※過去2年間の検討内容は、下記URLよりご覧いただけます。
https://www.jora.jp/support_business/5271/
1. プロジェクトの趣旨、目的
- 2011年、国際連合食糧農業機関(FAO)は、世界の生産量の3分の1にあたる13億トンの食料が毎年廃棄されているとの調査結果を公表し、食品ロスが相当量に上ることが示されました。また、世界では約8億人の栄養不足人口がいる中、食品ロスの削減は我が国だけでなく世界的にも大きな課題となっています。
- こうした中、我が国の食品事業者においても食品ロスの削減に向けた取り組みの強化が望まれますが、これを推進していくためには、各企業の努力はもとより、フードチェーン全体で食品ロスの原因となっている商慣習を見直していくことが重要です。
- こうした状況をふまえ、平成24年度より、農林水産省補助事業「平成26年度食品ロス削減等総合対策事業」として、「食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム」を開催し、食品産業における食品ロス発生の原因となりうる商慣習についてフードチェーン全体で話し合い、解決に向けた検討を行っています。本年度は、これまでの成果をもとに、本年度はさらなる前進をめざして参ります。
2. 検討内容
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平成26年度のワーキングチームでは、平成25年度のとりまとめに盛り込まれた以下の①~⑥のテーマを中心に、学識者・実務家を交えて議論を行います。
①加工食品の納品期限の見直し・再検討
②賞味期限の見直し、賞味期限設定の考え方等の情報提供
③賞味期限の表示方法の見直し(年月日表示から年月表示へ)
④日配品のロス削減
⑤食品ロス削減に関する消費者理解の促進
⑥その他の食品ロス削減に向けた取組 - 加工食品の納品期限の見直し・再検討については、本ワーキングチームは「製・配・販連携協議会」(※)と協力し、農林水産省及び経済産業省の協力の下、食品・飲料メーカー、卸売業者、小売業者の参加により、試行的に小売店舗への納品期限を現行の「賞味期間の2/3残し」から、「1/2残し」へと緩和し、それによる食品ロス削減効果を検証するパイロットプロジェクトを実施しました。この結果をふまえ、本ワーキングチームは、製・配・販連携協議会と協力して、納品期限緩和の展開拡大や、納品期限緩和の最適な方法について、引き続き検討を進めて参ります。
※製・配・販連携協議会:平成23年5月に、サプライチェーン上の様々な課題を解決するために、メーカー(製)、中間流通・卸(配)、小売(販)の各企業(43社)が協力して取り組む事を目的とした協議会
加工品の納品期限の見直し・再検討に関するパイロットプロジェクトの実施結果
3. プロジェクトの実施体制
<参加企業>(50音順)
フードチェーン各層の業界団体の推薦・協力の下、ワーキングチームには下記企業が参加します。業界 参加企業 推薦業界団体 食品製造業 味の素(株) 風味調味料協議会 江崎グリコ(株) 全日本菓子協会 キッコーマン食品(株) 日本醤油協会 コカ・コーラカスタマー
マーケティング(株)一般社団法人 全国清涼飲料工業会 サントリー食品
インターナショナル(株)一般社団法人 全国清涼飲料工業会 日清食品(株) 一般社団法人 日本即席食品工業協会 ハウス食品(株) 全日本カレー工業組合 (株)マルハニチロ食品 公益財団法人 日本缶詰協会 (調整中) 一般社団法人 日本乳業協会 食品卸売業 国分(株) 一般社団法人 日本加工食品卸協会 三菱食品(株) 一般社団法人 日本加工食品卸協会 (株)山星屋 全国菓子卸売業組合連合会 食品小売業 イオンリテール(株) 日本チェーンストア協会 (株)イトーヨーカ堂 日本チェーンストア協会 (株)東急ストア 日本スーパーマーケット協会 (株)ファミリーマート 一般社団法人 日本フランチャイズチェーン協会 - <有識者委員>
- 明治大学専門職大学院 教授 上原 征彦 氏
東京情報大学 学長 牛久保 明邦 氏
専修大学商学部 教授 渡辺 達朗 氏 - <事務局>
- 一般社団法人 日本有機資源協会、公益財団法人 流通経済研究所
なお、本取組は、社会・業界全体への波及の観点から、農林水産省をはじめ、政府機関等との連携を図り、推進いたします。また、業界団体と緊密に連携して、検討成果の業界全体への普及を目指します。加えて、経済産業省がサポートする製・配・販連携協議会とも連携し、これまでの検証結果を最大限活用してまいります。
4. スケジュール
商慣習検討ワーキングチーム
第1回会合
平成26年7月24日(木)①食品ロス削減に関する最近の動向
②納品期限緩和の取組状況
③賞味期限の見直し・年月表示化の取組状況
④日配品の食品ロス削減検討について
⑤平成25年度とりまとめのフォローアップ方法の検討
「配布資料」
「議事要旨」第1回日配品検討分科会
平成26年10月3日(金)①食品ロス実態調査(案)について(メーカー・小売)
②もったいないキャンペーンの検討状況
③フードバンクの活用事例紹介
④ディスカッション
「配布資料」 NEW商慣習検討ワーキングチーム
第2回会合
平成26年10月16日(木)①食品ロス削減に関する動向(農林水産省、経済産業省)
②納品期限緩和に向けた各社・業界別の取り組み状況
③賞味期限延長・年月表示化に向けた
各社・業界別の取り組み状況
④賞味期限延長等実態調査の実施について
⑤飲料・菓子以外の納品期限緩和に
関する今後の進め方について
⑥日配品の検討状況報告
⑦ディスカッション第2回日配品検討分科会
平成27年2月5日(木)①日配品の食品ロス実態調査の結果報告
②もったいないキャンペーンの実施状況
③とりまとめに向けたディスカッション
④今後の予定
「配布資料」 NEW
「議事要旨」 NEW第3回日配品検討分科会
第3回会合 商慣習検討ワーキングチーム
合同会合
平成27年3月6日(金)「配布資料」 NEW
「議事要旨」 NEW平成27年3月17日(火) 食品ロス削減シンポジウム (東京) 平成27年3月19日(木) 食品ロス削減シンポジウム (大阪) 5. お問合せ先
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「食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム」に関するお問い合わせ
公益財団法人 流通経済研究所
担当:石川、重冨(しげどみ)、下田 TEL.03-5213-4533 - 「平成26年度食品ロス削減等総合対策事業」(農林水産省補助事業)
全体に関するお問い合わせ
一般社団法人 日本有機資源協会
担当:嶋本、土肥、出越 TEL.03-3297-5618